守護者

答えを求めるのは愚かしさのしるし。
ぬくもりはすでに我が腕の内にあり。


人里離れた山奥に、その老婆はいるという
体は老いたりとも、心は少女のまま
少女の心が老婆の体を支配しているのだから

人里離れた山奥に、その老婆はいるという
誰とも顔を合わす事なく、老婆は山の中腹で待ち続ける
自分の体が眠る魔法陣の上で

人里離れた山奥に、その老婆はいるという
少女はあまりにも明晰だった
少女はあまりにも純粋だった
故に魔物に狙われる
そして人の子に狙われる

事態を恐れた魔道師は
少女の命を二つに分けた
心を老婆の亡骸に
体は山の星の下

少女の心はなおも老母の骸の中
少女の体はなおも魔方陣の中
誰か来てほしい
誰か言葉を聞いてほしい
だが人里は離れた山の中
  訪れるものは月に一度あるなしか

少女の心が語るは
山の森、山の虫、山の獣達
自分の境遇、自分の悲しみ、自分の憎しみを
山に絶えず解き放つ
いつしか山は血の如く真紅に染まり
狂気の山と呼ばれん

だが、少女は真意を知らぬ
心と体を分けし故は
別々に封印せしわけは
少女の心を守るため
少女の体を守るため
再び融合せしときには
双方とも生き残る事かなわずか

人里離れた山奥に、その老婆はいるという


* * *

「以上が、北方より伝わりました『かなわぬ歌』第3章2節でございます」
「うむ。見事な歌であった」
「お褒めに預かり光栄にございます」
「さて歌人殿、歌にあった『狂気の山』は、現存するのかな?」
「私が聞き及んだところでは、ラルハース領の辺境に、秋に一際赤く燃え上がる山があるとの事にございます。あまりの赤さに人も立ち寄らぬほどと」
「それは良いことを聞いた。さぁ皆のもの、早速その山に、紅葉見物といこうか。我らの守護神を解放するために!」
「………!」

* * *

  ☆シナリオソース「門前の老婆」
 少女は肉体を奪われ、老婆の遺骸に精神を封印された
 後に奪われた肉体を見つけたが、山の中腹にある封印の中にあった
 (本来の肉体は魔族の触媒にされる危険が高かった為、魔道師に封印された)

 封印の解放を望む老婆
1 解放の為に緑の猟犬を招き入れ、解放の影響で消えた
2 老婆の肉体を贄に自ら封印を解放、本来の肉体を手に入れるも…
3 翼人座の魔道師が本来の精神を刈り取る
4 老婆には魔族の血が流れていて、精神を食い物にして…

答えを求めるのは愚かしさのしるし。
ぬくもりはすでに我が腕の内にあり。



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